第11回日本ゲノム微生物学会年会
挨拶
第11回日本ゲノム微生物学会年会開催

 第11回日本ゲノム微生物学会年会を2017年3月2日(木)~4日(土)の3日間、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて開催いたします。
 私たちはゲノムの全塩基配列が判明していることが前提の時代にいます。この微生物はこの遺伝子(塩基配列)を保持している(或いは保持していない)ことを前提とする時代です。そのような状況の中で年会もこれまで10回を数え、11回目を迎える今年は、取り巻く状況にさらに拍車がかかりそうです。次世代シーケンサーは通常の研究室に常備される可能性が示され、洗練化されるオミックス解析技術と組み合わせ、細胞の生き様を総合的に解析することができるようになるでしょう。さらに、汎用的なゲノム編集技術の勃興により、ゲノムを再設計して1細胞レベルで調べられる日も遠くないと思われます。伝統的な微生物遺伝学から、分子生物学、システム生物学、合成生物学の流れを真っ向から受け止めて、第11回年会では新たな10年の始まりとして、ゲノムと微生物をキーワードとした「眺めて驚く学問から、作って調べさらに役立つ微生物学へ」を標榜したいと思います。
 皆様が応募登録される研究トピックスは下段に記したように昨年と同じですが、運用面でこのスピリッツを体現すべく、システム生物学、合成生物関連のトピックスを企画しようと思います。眺めるための多様な技術、作るためのゲノム編集・合成技術、さらにデータの統合的な活用も重要な課題であることは明らかです。皆様が日夜取り組まれている微生物にはそれぞれの研究の歴史、技術的基盤に差があるのも事実です。伝統的な叡智に加えて、微生物の過去・現在・未来を総合的に見つめることで新たな視界が開けると考えますし、先行研究のない前代未聞の成果も期待できると思います。ゲノム微生物学会は参加される皆様の世代や所属を問わない活発な情報交換、知識交流を通して、微生物ゲノム研究の次世代を担う若手研究者育成も目的としています。年会では、若手教員、ポスドク、大学院生、学部生の意欲的な学びの場、積極的な意見交換の場になると同時に、アカデミア以外の皆様方にも新しい刺激的な場になることを切に願います。

• 新規微生物ゲノム配列の決定と解析
• 微生物ゲノムの機能・進化の研究
• 微生物ゲノム・遺伝子システムの機能解析
• ゲノム情報を基盤とした微生物の有用活用
• 有用微生物のゲノム育種
• 微生物ゲノムと細胞動態の研究
• メタゲノム研究、環境微生物研究
• ゲノム情報を基盤とした病原性の研究

第11回年会
年会長 板谷光泰(慶應大学先端生命研)
学会長 林哲也 (九州大学大学院医学研究院)
年会に関するお問い合わせ:sgmj2017@aeplan.co.jp